読書という贅沢。イタリア旅行を伴走してくれた本たち

中庭に続く回廊 Mindset心と暮らし
イタリアによくみられる、中庭へ続く回廊。私にとって読書は、加熱しがちなあたまに風が抜ける、こんなイメージ

今までに読んだ本のおかげで少しだけ立体的に見えた、イタリアの景色

昔から興味を持てばどんな分野の本でも乱読してきました。

ふだんは忘れているのに、ふとした拍子に、訪れている土地に関した描写や、その本を読んでいたころのことが頭に浮かぶことがよくあります。旅を本が伴走してくれるのです。

聖マルコの獅子「本を持つライオン」がコルティナ・ダンペッツォの街を案内してくれた

夫婦二人で3週間、ゆっくりイタリアを巡った旅の途中、私の頭の中では色んな本の登場人物が現れて、目の前の景色に色彩をそえてくれていました。

ベネツィアの三つの物語(著:塩野七生/出版社:新潮社)

コルティナ・ダンペッツォの街の中心でヴェネツィア共和国のシンボル「聖マルコの獅子」に出会ったときは一気に塩野七生さんの小説を読み漁った子育て中にタイムスリップ。

地中海から世界の経済を動かしていたヴェネツィア商人の物語に心を躍らせ、想像の翼で運河を渡って…社会から置いて行かれる焦りを紛らわせていたことを思い出しました。

ドロミテの建物にみられる聖マルコの獅子
ヴェネツィア共和国の統治下にあった現代の山岳リゾート。本を持ったライオンが話しかけてくるような気がしました。

奇しくもこのライオンは本を持っています。「たくさん本を読んで、ここまでよく来たね」といってくれるような気がします。

セレンディピティという言葉があたまをよぎり…今までに無駄なことなど一つもなかった、やってきたこと全部が溶け合って、この素敵な時間をくれたと感じる時間でした。

私の頭の中の本棚

前置きが長くなりましたが、今回の旅を伴走してくれた本をご紹介します。

私の旅行記を通じてイタリアに興味を持ってくださった方があれば、イタリアの地を踏む日にそなえて、一冊でも手に取ってみませんか。

大地の子エイラシリーズ(著:ジーン・M・アウル/出版社:集英社ほか)

重ね着をしても時々寒い九月。ドロミテの切り立った尾根を歩きながら、35000年前のクロマニョン人、エイラとジョンダラーも旅の途中で見たであろう景色に興奮。

今よりきびしい自然環境に晒されながら、野生動物の毛皮を纏い、短い夏に咲き乱れるアルプスの花畑で一年分の薬草を摘み集めた太古の人々のことを考えました。

アイスマン博物館のチケット
ボルツァーノ県立考古博物館では、アルプス山中で発見された5300年前の戦士のミイラを保管、展示している。

さらに、時間があったので立ち寄ったボルツァーノで、1991年に生きているような様子で発見されたミイラ、通称「アイスマン」に遭遇。保存状態がよく、衣服や装備品、生前の健康状態も良く解明されていていっそう感慨深い。

冷静と情熱のあいだ(著:辻仁成・江國香織/出版社:角川書店)

最後の晩餐
ミラノ。20年前にツアーで見られなかっ「た最後の晩餐」。当時は小説の影響で、絵画の修復についての質問ばかり

20年前、初めてイタリア旅行した時、空港で偶然買い求めた小説。ツアーにフィレンツェが入っていたので、偶然の出逢いに驚き、感謝しながら大切に読みました。

ツアーの同行者の中にはこの小説の熱心なファンもいて、「聖地巡礼」の情熱を帯びて語り合ったのも良い思い出。ガイドさんに絵画の修復についてばかり訊ねて、辟易させたことも(笑)

 今回はそのツアー時に見られなかったもの、ゆっくりできなかったことなど補う「続編」の旅だったので、あの頃の感動を思い起こしました

この村にとどまる(著:マルコ・バルツァーノ/出版社:新潮社

イタリア、サンタ・マッダレーナの景色
「この村」というのは、こんな風だったのでは?と想像をはせたサンタ・マッダレーナ

小説の舞台と言われるクロン村は、今回の旅程には入れられなかったけど、南チロルの深い山あいの村を訪れたときに大国の国境が変わるたびに翻弄された山深い村の非運を想像。

ドロミテ街道がもとは軍用道路だったことを知ったとき、そのイメージはさらに深い陰影をみせました。

カテリーナの微笑 (著:カルロ・ヴェッチェ/出版社:みすず書房)

リヴィエラ海岸
ダ・ヴィンチの母親は数奇な運命に弄ばれて奴隷となり、ミラノに。
こんな碧い海を眺めたのかな…と夢想したリヴィエラ海岸

天才レオナルド・ダ・ヴィンチの足跡がたくさん見られるミラノ。一回目のイタリア旅行ではかなわなかった「最後の晩餐」観覧をいっそう感慨深くしてくれたのが、天才のルーツを描いたこの長編小説。

本を読むと、デジタルに疲れたアタマに気持ちの良い風が通り抜ける感覚!

デジタル漬けになるという、リタイア生活の弊害

夢見ていたリタイア生活は「やりたい事だけ」していてよい毎日。これ、からだは楽なのに脳が疲れがち。

理由は、そう、デジタル機器の使いすぎです。

ほんの少し前までは「デジタルデトックス」も意識していたのに、いまはスマホなしでは生活も成り立たちません。

脳疲労??デジタル疲れで脳が酸欠に、とでも言えばよいのでしょうか。

まったくの主観なのですが、同じように情報を得ても、紙ベースで読むのに比べてデジタルは、いつの間にか受け身になる(情報を流し込まれる)ような気持ちになります。

からだはメンテナンス万全なのに、頭はどんどん流れてくる情報に疲れて…浮かんだ言葉が「酸素不足」。

慌てて図書館へ走りました。

私にとって本はこんな存在なのです。

あたまに引き出しが増えて、どこへ行っても本が伴走してくれる。

読書は私にとって最高に贅沢な趣味です。

みなさんはどんな本を、どんな時に読みますか?

今日も最後までお付き合いありがとうございました。

ドロミテのロードトリップ、イタリアでレンタカーを運転するときの注意点まとめ|ZTL・高速・山道・ドロミテ1000km走行体験 – 食べて、眠って、旅をする 👈に続いて、また脇道にそれていましたが、次回からまた本線に戻る予定です。

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