「退職して辛いのはアイデンティティの喪失?」
ある日見かけた、SNSのそんな投げかけ。
思わず「辛いのはそれを認めること」とコメントした後、なぜ?と自分に問いかけています。
ヒントを見つけたのは夫婦二人で一緒に働く「農業バイト」の場でした。
リタイア後の「自由な生活」に、思ったほど満足できない
お金の不安だけではない 、暇でもない 、
もうひと花咲かせたい、とかいうだいそれた話でもない。
地域のボランティアもしている、家族との関係は良好、
なのにまだ何かが物足りないと思ってしまう。
「いまいるここ」は本当に長年かけて目指したところだったの?という疑問が消えません。
夫婦で始めた単発の農業バイト
シャクヤクまつりの仕事を終えて、声がかかる
二年目になる「シャクヤクまつり」でバイト👇している際に、現地に足を運んでくれた知人から後日「紫蘇畑で草取りをする人を探している」と声をかけてもらいました。
今度は6月末までの期間限定、自分たちのペースで良いと言ってもらい、あたらしいことに挑戦してみました。
- 7時から12時まで(この時間帯ならお弁当不要)
- 2人で5時間、10,880円
- 週3回(これまでの生活パターンに支障がない)
- 夫婦一緒(通勤40分でも二人同乗で効率が良い)
- この時間だとランチや日帰り温泉にもよれる♪
農業特化アプリは、私たちにはちょっと違ったみたい
実はガーデニングの経験から農作業の癒し効果に注目していて、昨年、農業に特化したアプリ👉 農業専門のスキマバイトアプリ農How|株式会社アグリトリオ で、何度か単発の農業バイトに挑戦しました。
選んだ農場は、観賞用の鉢花の生産者。
9時から4時で勤務時間が任意で決められ、時給1000円。休憩時間1時間半は無給です。
夫婦二人でお弁当を持って三回ほど行きました。
たしかにお金はいただける。(二人でフルに働いて一日12,000円)
知らない世界を知るのは面白い。
けど、まだ何かが違う…。
常勤のパートさんたちも気をつかってくれたのですが、何となくフェードアウトしてしまいました。
お互いの都合がマッチした時間だけ、「働きたい日に登録して、雇用主が承認」、という形は理想的に思えましたが、この後の経験と考えあわせると「求められている実感」がほしかったのかなと思います。
夫婦で挑戦!紫蘇畑の草取りバイト体験談
今回は前の仕事からつながったご縁。
ぜひと声をかけてもらって、また来てねと言ってもらう。たとえささやかでも、求められて働くと張りが違います。
「日本の食料自給率に貢献している」ような気もします。(壮大な自己満足です)


みなさんおなじみの「赤紫蘇」と「青紫蘇」の草取り体験記|奥が深く面白い
この農園で少し種まきの遅かった赤紫蘇は、まだ背丈が低く、通路をはいつくばって作業。
色が違うから雑草は目立ちやすいけど、腰にこたえる姿勢が続きました。
一方でひと足早く種をまいた青紫蘇は収穫間近。
すでに何度か雑草を抜いたのに、そっくりの葉をした雑草が目こぼされて今に至っており、花をつけるこの時期しか見分けられない。
というような話を聞くだけで面白く、「紫蘇もどき」***画像あり:ハキダメギク を見分けるのは、間違い探しのようで楽しい。
どちらも「雑草を取っただけ確実に収穫が上がる」と聞けば俄然やる気も出てきます。

膝が痛くなって「膝パッド」を引っ張り出したり、災害用に買っていたウォータージャグに手洗い用の水を汲んで持参。
平日の「ワークマン」で暑さ対策の作業服や手袋を買いそろえました。
外食が増えたり、温泉によったりで今のところ(たぶん)採算は合っていませんが、満足しています。
還暦前後、肉体労働歴の少ない夫婦は、この仕事でクタクタになっていますが、5時間なら翌日には回復できています!
働いたあと、遊びの楽しさが倍増する、スイカにかける塩の効果?
「はなきん」という言葉に心を躍らせた世代。
子どもたちには「もう充分働いた」と言ってもらいますが、日常の家事以外何もせず、遊びの計画を立てていると週末の終業後の高揚感が懐かしい。
働いた後の遊びは、塩をかけたスイカみたい。
ただ甘いだけではなく、少しメリハリがある方が、私には美味しく感じる。
そんなことを考えていた時、最近読んだ本の一節が妙に心に残りました。
「私は働くのが面白いので働くのだ」
(進士素丸『恋して、書いて、咲きほこる 宇野千代の人生劇場』より)
もちろん、宇野千代さんほどの情熱ではありません(笑)
でも、「働かなければ困るから」ではなく、「働くこと自体が少し面白い」——そんな気持ちは、私にもあるのかもしれません。
憧れた「楽隠居」はもう少し先のお楽しみ
けっきょく私は、せっかくのリタイア生活でアイデンティティの喪失を認めたら負けのような気がしていたのでしょう。
「社会に求められたい」と言葉にするのも気恥ずかしい。
でも今は、しがらみのない生活。軌道修正も自由。
長年あこがれた「楽隠居」は、きっといつでも始められる。
だから今は、少しだけ働いて、少しだけ社会とつながって、思いきり遊ぶ。
それが、いまの私たち夫婦にちょうど良い暮らし方なのだと思っています。
退職後の自由を楽しんでいるはずなのに、どこか物足りない。
そんな気持ちを抱えている方、意外と少なくないのかもしれません。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。


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